Chapter.2 婚礼サービス市場の変遷と動向 市場の変遷


日本では第1次大戦頃まで結婚式を自宅で行うのが一般的でしたが、都会で生活様式の欧風化が進む中、1920年代にはホテルでの結婚式が始まりました。

第2次大戦後、荒廃からの急速な復興は婚姻ブームとともに、1955年代には結婚式を行うための設備を持つホテルや、専門式場の建設ラッシュを惹き起こしました。
また、経済成長がもたらす収入増は、とりもなおさず結婚式に以前より大きな費用をかけることを習慣化させていきます。料亭や公共施設等も次々と結婚式場(専門式場)へと業態転換し、1970年代以降、ホテル・専門式場での結婚式が当たり前とされた風潮が長く続きました。
他方で高度経済成長期、バブル経済期を通じて、定型的な婚礼サービスでも十分満足された時代でした。

1991年のバブル経済の崩壊を転機に個人の価値観が一変します。個性を尊重し従来の価値観をみなおす風潮がひろまる中、社会での色々なお付き合いを重視するより新郎新婦の希望を優先する、新しい婚礼スタイルが次々と誕生しました。
まずは、1990年代にハワイやグアム、軽井沢などのリゾート地で結婚式を行う「リゾートウエディング」が注目されます。さらに「リゾートウエディング」(特に海外ウエディング)を行ったカップルのお披露目の場として、レストランでのパーティー需要が高まり、「レストランウエディング」が誕生しました。この頃よりアットホームで料理にもこだわった婚礼スタイルを好む傾向が強くなります。他方で、レストランは結婚式を前提に作られていないため、教会や更衣室等が無いなど設備面で使い勝手がよくないこと、また婚礼専門のスタッフが駐在していないことなどにより、主要な婚礼スタイルとして誰しもが選ぶようになるには至りませんでした。

そのような中、ホテル・専門式場の充実した設備と、レストランの貸切感・本格的な料理・きめ細やかなサービスの提供など、両者の長所を複合させた婚礼スタイルとして「ハウスウエディング」が誕生しました。ゲストハウスと呼ばれる一軒家を貸し切り、空間や場所に制限されることなく自分達らしい結婚式を行うことができる、それが「ハウスウエディング」です。

ハウスウエディングとは「ゲストハウス」と呼ばれる一軒家を貸し切って行う挙式・披露宴の新しい形態です。ゲストハウスにはホテル・専門式場同様、結婚式に必要な設備(教会・ロビー・控室・更衣室など)が完備されています。そして、その全てが貸し切りのため、自宅にお客様を招くような感覚で、また場所や空間に制限されることなく個性を活かした挙式・披露宴を行うことができます。ハウスウェディングという言葉は、2003年から経済新語辞典(日本経済新聞社発行)等で定義されており、現在は挙式・披露宴における新しい形態として一般的に広く認知されることとなりました。

